ずっと心にあるもの

　最初に言っておきますが、それは前向きなものではありません。いつからかは忘れましたが、気が付いたときには心の中にあったものです。それは「なんか世の中おかしくないか？」という思いです。こんなことを考え続けているのは、私だけなのでしょうか。

　大きなことを言って恐縮なのですが、そう感じ続けているのも事実です。まぁ、私は世の中の全てを知っているわけではありません。しかし、私が知りうる小さな世間でさえ、そう感じることができるのも事実です。

　では何がおかしいのか。道徳観・倫理観とでも言うのでしょうか。本来、社会生活を営む上で必要な人間性が、現代人において衰えていってるのではないかと思います。

　物がありふれたこの時代、昔よりも食べ物を大事にしなくなりました。食べ物を平気で粗末にする大人や子供。私の感覚でいうと、考えられません。善悪の判断も「バレなければ良い」という考えが蔓延してはいないでしょうか？

　自分の非は認めず、いつも誰かのせいにする。責任のたらいまわしです。目上の人を平気でバカにする。他人を思いやる力が弱い。弱者に対して強くあたる。ひどい言葉を平気でつかう。自分が育てられる側だった時代では考えられないことが、当たり前になっているように思います。

　人間は社会で生きています。おそらくこれらの事柄を助長しているのは社会だと思います。物質的に豊かな時代になり、物を大切にするという感覚が薄れてしまった。メディアは当然のように、品のない言葉を垂れ流す。そんな社会に影響された大人達が子供を生み育てる。負の連鎖のようですね。もちろん、きちんとした人間性を持った人もいます。しかし、そうでない人が増えていっていると感じています。

　社会が人に影響を与え、変化させています。しかし、社会を形成するのは人です。年間３万人以上もの自殺者を出し、僅かな失敗が人生を台無しにする。また、子供が大人を平気でバカにするような世の中を作り上げたのも人です。生きていく上で何が大切なのか、どうやら真剣に考える必要がありそうです。

　現代の人は忘れてしまったのでしょうか。今のこの豊かな日本があるのは、大戦で命を懸けて国を守った人達がいるからです。更に、戦後の焼け野原を、気合と根性で復興させた人達がいるからです。

　自分のことばかりになってはいないでしょうか。誰しも余裕がない世の中です。しかしそんな時代だからこそ他人を思いやる心が、忙しない社会に余裕を生み出すのではないのでしょうか。一言でいうと「なんかおかしくないか？」です。

　こんなことが、いつからかずっと、胸のうちに燻り続けています。