南米バイク旅 最終回 俺はこっち、キミはあっち。でも、オレのこと忘れんなよ、俺も忘れへんから。
はいどーもー、オーラーッ!!今日はトリ皮のネギ塩と照り焼きを作って、トリ三昧な森です。コロンビアのメデジンで日本までの航空券を探すのが面倒臭かったです。そうそう、帰国の日が近づいているんですよ。ま、その件に関してはまたおいおい書いていきます。
はいでは、今回で「南米バイク旅」の記事は最終回です。以前、KAIDAとお別れするまでが南米バイク旅だと書きました。
そう、今回でとうとうKAIDAとお別れです。
この記事を書いてしまえば、本当にあの刺激的だった旅が終わってしまうようで、なかなかPCに向かうことができなかったのですが、いつまでも目を背けていても何も始まらないので書くことに決めました。
朝起きてカオリさんを送り出し、KAIDAを売るために出発する。
この玄関を通ると出発を思い出す。
約8か月前、出発したときの玄関。
ヘルメットも装備も綺麗やったなぁ。
このときはまさか、南米バイク旅があんなにも刺激的だなんて考えてもなかった。
ただ軽く「バイクで周ろう」ぐらいにしか考えてなかった。
ちょけたりもしてたなぁ~。
約8か月後に帰ってきた玄関。
荷物も増えてるし、装備もボロボロになった。
ヘルメットはシールドの小傷が多くて前が見えないし、サイドバッグは何回修理したか分からない。服もボロボロで日焼けだらけ。
ここに戻ってきて、私とKAIDAが描いてきたラインが繋がった。
南米大陸をぐるっと八の字で周った。
今更になってバイク旅が終わるっていう実感が湧いてきた。
物思いにふけっていても仕方がない。
自分の意志で始めた南米バイク旅、自分の手で終わらせよう。
バイク通りに向かうときに突然の雨に降られた。
「涙雨」、そんな言葉が頭に浮かんだけど、そうじゃない。
悲しくないといえば嘘になるけれど、多分KAIDAもそんな別れは望んでないと思う。
バイク通りに到着。
ここは全然
変わってないな。
出発する前はコロンビアが南米でどれぐらいの国なのか分からなくて、このバイク通りでも不便さを感じていた。
でも今なら分かる。ここは南米のバイク街でもレベル高い方。売ってるバイクの種類とかそんなんじゃなくて、ここに来たら修理・メンテ・装備は何でもある。超便利。
8か月前に仲良くなったおばあちゃん。
いてるかな~って店を覗いたら。
いてた。(喜)
しかも覚えてくれてた。やばいめっちゃ嬉しい。
「ちょっと太った?」ってジェスチャーで言ってきた。
その通りです、僕はあの頃より5kg増量しています。
8か月前と同じように、この店でティント(コーヒー)を飲みながら一服する。
おばあちゃんとこの8か月の旅や、これからの予定について話す。
多分、私が誰にでも話しかけて仲良くなれるのは親父のDNAやと思う。
KAIDAを買ったSUZUKIの店にもあいさつにいった。
「売ってくれてありがとう。でもゴメン、ここでは売れません」って言ってバイク通りのナイスガイ達の元へ。
この人達ね(8か月前)
この写真も8か月前の
覚えてるかな?と、少し不安になりながら行ってみると
バッチリ覚えてた。しかもFacebookで写真みてくれてた。笑
「オー!ヨシアキーーモリーーー!」と歓声で迎えてくれた。
あかん、マジで嬉しい。
半泣きになりながら旅の話をする。
で、KAIDAを売りたいことを伝えると「任せとけっ!」と
なんと頼もしい連中だ・・・。
「とりあえず洗車せなな。」と言われるがままに最後の洗車に。
手縫いの荷物固定用のベルトも外す。
手作りのマッドフラップも外す。
あかん、お別れやから仕方ないって分かってても寂しくなる。
KAIDAがどんどん他のGN125Hと同じ姿に戻っていく。
旅での出来事を思い出しながら、おっちゃんと一緒に洗車する。
ホイール周りも、エンジン回りも歯ブラシで丁寧に洗っていく。
フロントフォークはオイル漏れで真っ黒になってた。
ホンマによく頑張ってくれた。
125ccのバイクで南米を周るなんて、正直いうと最初はネタぐらいにしか思ってなかった。アンデス山脈も砂漠もあるし、道路とかバイク屋とかの情報も全然分からなかったし。でもKAIDAはどんな状況でも走ってくれた。気付いたらホンマに大事な相棒になってた。
思い出す。
アンデス山脈や悪路を走り切ったときには勝鬨を上げた。
KAIDAを酷使したときは謝ったし、ピンチを乗り越えたときには話しかけてタンクを撫でまわした。(←この辺りが軽く変態入ってる)
アルゼンチンの弾丸道路では思いっきりKAIDAを走らせた。
心にグッとくる景色を見るときには、必ず横にKAIDAがいた。
中国製の安いパーツばっか付けてゴメンな。
でもメンテはマメにやってたと思うから許して。チェーン何回張ったか・・・。
そうそうチェーンといえば、チェーンオイルが手に入らんから、エンジンオイルとかグリスをチェーンに塗っててゴメン。
最後に
ホンマにありがとう。
渾身の洗車が終わって綺麗になった。
「いくらで売りたい?」という取引の話で一気に現実に引き戻された。
別に値段は決めてなかったけど、買値の半額ぐらいで売れればいいと思ってた。
そんな話をしていて売値も決まらない内に
買いたいってヤツが現れた!笑
いや、ホンマに瞬殺。
最初は100万ペソで売るって言ってたけど、この人ガチで92万ペソしか持ってなかったから92万ペソでハンマープライス。
買値が185万ペソだからほとんど半値で売れた。
はっや!
名義変更等の書類に記入して終了。
KAIDA、これからはこの人を乗せてしっかり走ってくれ。事故で廃車になるようなことは絶対やめてな。
オレとの冒険の日々を忘れんなよ。
オレもお前のこと忘れへんから。
2015年 10月13日
南米バイク旅、これにて終了。
これから日本に帰るまでは、また普通のバックパッカーに戻ります。森 義昌 世界一周冒険絵巻「黒巻き髪」に、もう少しだけお付き合い下さい。
南米をバイクで周る、そんな無茶なことを言って心配かけた方々、すいませんでした。
そして、バイク旅を楽しみにして見守ってくれた方々、暖かい声援をくれた方々、本当にありがとうございました。
この場をお借りして、お礼申しあげます。
私の冒険記を読んで少しでも楽しんでくれたり、何かを感じて頂けたら幸いです。
P.S. バイク旅を終えるにあたって一言。
「無茶かもしれんけど、無理ではない。それは本人の意志次第っ!環境とか状況とかのせいにして、適当なもっともらしい理由を付けて自分を諦めんなっ!自分がやりたいならやれっ!迷ったら頭じゃなくて自分の胸に聞けっ!」
以上っ!