10万食のカレーってバスタブ何杯分よ?
はいどーもナマステ~。
もうすぐインドに来て30日以上たつのですが、未だにチャパティとナンの違いが分かっていない天然パーマです。
チャパティ
ナン
あっ、形? 厚み? この画像はネットから引っ張ってきたんですが、丸いナンもあるんよな~。
味もたいして変わらんし。材料の違いかな?それとも焼き方?
うん、わかんなぁ~い。
はい、入りが食べ物ネタだったのですが、これは今回の記事に関係があります。
タイトルも昔の餃子の王将みたいになっていますね。
そう、今回みなさんにお届けするのは
「聖者たちの食卓」
日本では9月27日に公開される映画です。
この映画はドキュメンタリー映画で、その舞台となったのが
アムリトサルという街です。
では、ちょっとだけお付き合い下さい。
このアムリトサルという街にはゴールデンテンプル(ハリマンディル・サーヒブ)と呼ばれるスィク教の総本山があります。
・スィク教(シク教)
16世紀ごろから起こった宗教。「人間みな平等」が教義であり、ヒンドゥー教のカースト制度を否定している。
男性の特徴は頭に巻かれたターバンで、髪の毛やヒゲはカットしない。女性の特徴は知りませんごめんなさい。
インド人って立派なターバンを巻いているってイメージないですか?アレってシク教の男性像なんです。巻き方にも特徴ありますよ。
シク教の男性達
で、シク教の方向性が「教義を大切にしつつ社会で頑張りなさい」ということなので、シク教の人達はビジネスを大切にするそうです。結構リッチな人が多いのかも。そんなシク教は、インドでは少数派の宗教です。
でね、そのシク教の聖地であり総本山であるゴールデンテンプルでは、ランガルという食堂で毎日10万食の食事を無料で提供しています。その食事は教義にある通り、宗教や地位や性別に関係なく誰にでも平等に与えられます。
さらに驚くことに、食事を作ったり食器を洗ったりするスタッフは300人ぐらいのボランティアの人達です。
映画「聖者たちの食卓」は、そんなゴールデンテンプルを描いたドキュメンタリー映画です。
お付き合いいただきありがとうございます。
ではでは、ここからが本編です~
タージ・マハルの味を堪能した(横の方をちょっと舐めてみた)私は、首都デリーを華麗にスル―(列車でただ寝てただけ)し、ゴールデンテンプルがあるアムリトサルにやって来ました。
オフラインマップを片手に道を聞きつつ、やっと辿り着いた黄金寺院ことゴールデンテンプル。あとで知ったけど、駅からここまでの無料バスがあるらしい。
これ金の部分は金箔らしいです。ヒンドゥー教の寺院とかってヒンディーしか入れなかったりすることが多々あるのですが、ここ黄金寺院は裸足になって髪の毛を布で隠せば、誰でも入ることができます。
黄金寺院の横には宿坊があり、そのには外国人専用のドミトリー(共同部屋)があります。宿代はドネーションとして自分で決めて払います。そこにチェックインし、さっそく件のランガルという食堂にいってみることにしました。
真っ直ぐ進んで真ん中あたりを右に曲がるとランガル。
まず目に飛び込んできたのは、ランガル入口でのこの光景。
食器の多さにも驚いたのですが、それよりもキビキビと働くインド人の姿に驚きました。(ゴメンな、オレの中でのインド人のイメージが基本「いい加減」やってん)
道なりに進むと、食器を渡してくれる人がいます。なんか給食を思い出すな~。
みんな笑顔で一声かけてくれます。
スプーンを渡してくれるおじいちゃん。
食堂内の様子
食堂部分は1階と2階の2か所があって、込み具合で分けられている感じでした。
込み具合も時間帯によってまちまちです。夕飯どきにはござが敷いていないところまで人で埋まります。
・流れ
座る→食べ物を配る係りの人が配ってくれる→食べ終わる→掃除の係りの人が掃除する
まず、きちんと掃除されていることにビックリでした。インドってあんまり衛生状態がよくないんですよ。普通の大衆食堂でも結構ひどかったりするし。
さらにみんなキビキビ働いてる。ボランティアだからといって適当にやっている雰囲気はなかったです。高齢者から若者、子供にいたるまでが働いていました。
おかわりも嫌な顔せずに沢山くれるし。残してる人がいてたのが残念やったけど・・・。
大体同じメニューです。コレは夕食のメニュー。
チャパティ(下のん)・豆カレー(上の左)・乳粥(上の真ん中)・イモカレー(上の右)・右上の食器は水用
うん、普通に美味しい!
特にイモカレーうましっ!
水を注ぐ係りの人
カレーを注ぐ係りの人
食べ終わったら自分で食器を運び、洗い場手前の回収所に持っていきます。
「オレが持ってってやるよ!」って言ってくれた子供がいて可愛いかったなぁ~。
この子達です。なんかカッコイイな!
シク教の子供は、子供のころから髪の毛を切らずにターバンを巻いています。
ココが洗い場です。
私は毎食後にお皿洗いを手伝ったのですが、まさに洗浄というか戦場でした。(今回はここしか笑うとこないで~)
洗い場は男女別でわかれています。
それぞれ別の作業をする洗い場があり、3段階ぐらいの行程を経て食器が洗い上げられます。
油落とす → 洗剤で洗う → 綺麗に濯ぐ
みたいな感じ
みんなめっちゃテキパキしてる!
言葉は分からないけれど、身振り手振りで教えてくれる人達。ありがとうございました。
「明日も来いよっ!」っていってくれた人達、嬉しかったです。
途中で「お前ちょっと休憩してこいっ!」ってチャイをくれたおじいさん、ありがとうございました。
やっぱり共同作業って親しくなれるな~、結束力を強めるな~、と今更実感しました。
せやねん。結束力を強めるねん。
同じ目的があるから。
外国人とか宗教とか年齢とか関係なく、みんな協力すんねん。
「コレあっち!」「あいよっつ!」
「こっち空いてるで!」「あいよっ!」
「お前これ重いけど大丈夫か?」
「そこ危ないぞっ!」「ありがとうっ!」
「さ~仕事が来たぞっ!やったろかいっ!」「っしゃー!!」
久々に気持ちのいい労働の充実感を味わえました。
チャパティを作るところ
私もやらせてもらいました。
これ結構難しい。前のおばちゃんごっつ速いし綺麗に作りはる。
私は何個かやり直しをくらいました。
これカップに入ったカプチーノじゃないですよ
大鍋で作られたチャイですよ~
チャイも無料で振る舞われていました。
ミルクがたくさん入っていて美味しかった。
カレーを作ったりご飯を炊いたりするところ
24時間フル回転らしいです。
でも朝に来た時にはチャイしかなかったような・・・。
そら~これぐらい必要ですよね~
都市ガスなんか無いもんね~
みなさんどうでしたか?
私の拙い文章では現場の雰囲気を伝えられないのが残念です。
興味をもった方は映画「聖者たちの食卓」を観てみて下さい。日本では9月27日に公開されます。
きっと動画でもっと詳しく紹介されています。
・感想
作業場とスタッフの雰囲気はとても良かったです。でも洗い場で見る顔は同じ顔が多かったです。きっと、食べっぱなしの人もたくさんいるのかなと思いました。
何かを貰ったら、自分が出来る何かで返す。一宿一飯の恩を返すという気持ちで私は作業に取り組みました。やっぱり何かされたら何か返したいよね。余裕があればこっちから何かしたいよね。
500年前から行われているこの行為、これからも続いていってほしいです。ここは無料で食事が食べられるだけの場所ではなく、他にももっと沢山のことが学べる場所なのだと思いました。貴重ですよね、こういう場所。敷居が高くなくて気軽に中に入っていける。それもこの場所のいい点だと思います。
・疑問
食事に来る人全員を確認したわけではありませんが、街中で見かけたいわゆるホームレスの方達の姿を見かけませんでした。大半の人達がちゃんとした身なりだったので、おったら目立つと思うんやけど。地元独特の何かしらの事情があるのかな?と少し疑問に思いました。
P.S. カレー10万食ってバスタブレベルじゃなくて、多分25mプールレベル!誰か計算してくれろ~!