南米バイク旅 番外編 涙ってこういう時に流れるんですね。
はいどーも~、オーラーッ!!突然ですが皆さん、号外です。以前ペルーの「チャチャポヤス」という街での出来事について「濃過ぎるから番外編でっ!」といっていたのを覚えているでしょうか?
いよいよその時期が来たので、号外として番外編を書きたいと思うのですが、今回この番外編を書くにあたって謝罪しなければならない人がいます。
兄ちゃん、ゴメンッ!!
先に謝っておきます。私の兄は、海外で意味不明なことをしている愚弟を、それはそれはまるで親のように心配してくれています。
日本でしか出来ない手続きなんかも、忙しい身なのにちゃんとやってくれます。
そんな兄を余計に心配させるようで今まで書かなかったことがあります。
そう、それが「チャチャポヤス事件」
実は私「森 義昌」
チャチャポヤスの山の中で
トラックと
正面衝突してますっ!!!笑
(ごめんなさいお兄様、この分の怒りと心配の籠った一撃は、しっかりこの身で受けきろうと覚悟しています。)
じゃー書きます。そう、あれは雨が中々の勢いで降る日でした。悪天候にも関わらず、カッパを着こんでKAIDAでプレインカの遺跡を見に行こうとしました。
チャチャポヤスの街からKAIDAを走らせること2時間半。それはそれは山深い場所での出来事でした。
道幅3m弱、大き目のトラックがギリギリ1台通るぐらいの道幅でした。路面状態はダート+雨。傾斜は30度ぐらい。細かいカーブが連続していて、右コーナーに差し掛かったときのこと。
KAIDA前後輪、スライドする。
運悪くトラックも下りで曲がってきていました。
いや、ぶつかるよね、そりゃ。
KAIDAの速度は時速30kmちょいだったので、大したことは無かったのですが。
森:右手首の切り傷(けっこう深め)・左肋骨の亀裂・全身打撲
KAIDA:フロントフォーク少し曲がる・ハンドル曲がる・フロントフェンダーへしゃげる・前輪パンク・クラッチレバー折れる・シフトペダル曲がる・タンクへこむ・左ミラー折れる
と、こんな感じの被害状況です。
更に事故現場がくっそ山の中という最悪な状況。
とりあえずKAIDAのエンジンは生きているので、パンクしてガタガタいいながらも最寄りの集落まで自走することに。
マリアという村で、村人がパンクの修理をしてくれることに。さらに村の診療所みたいな所で傷の手当てもしてくれました。
パンクの修理をしてくれたあと、更にご飯まで食べさせてくれました。
お金を払おうとしても決して受け取ろうとしない。
食べながら、何故か溢れてくる涙。
自分の不甲斐なさ。
日本で待ってくれている人達の顔が浮かぶ。
他人から受けた無償の優しさ。
味なんて分からなかった。
ただひたすらに口にメシを押し込んだ。
事故ったことは正直ショックだった。こんな異国の良く知らない場所で、どうしたらいいのか分からなかった。
自分に問う。
お前はどうしたい?
KAIDAは、この先南米の国々を走破できるかどうかは分からない状態。
出来るかとかじゃなく、どうしたい?
オレは何が何でもコイツと南米を周る。
大きな優しさをくれた村の人達に頭を下げ、チャチャポヤスまで帰る。
2時間半、何とか運転してチャチャポヤスに辿り着くことができた。問題はバイク屋や修理屋のレベル。聞き込みをして何軒も修理屋を周る。全身が痛いが、そうこう言っている時間はない。
何とか良さそうな店を発見。
事情を説明し、修理を依頼する。
一番懸念していたフロントフォークの修正もやってくれた。
というかこの設備でこの店に決めた。
咳こむと左の脇腹が異常に痛いのは、おそらく肋骨にヒビでも入っているんだろう。病院にも行ってないから分からないけど、多分そんなところだろう。アレキパ滞在中までずっと痛かったし。
4時間に及ぶ修理が終わった頃には、店の兄ちゃん達と仲良くなってFacebookを交換することに。笑
お値段は全部込みで3500円程度。
何とかなってよかった。
あれだけ色んな人に助けられて、やっと購入できたKAIDAだからこそ、こんなことでお別れになりたくはなかった。
利口だとか馬鹿だとか、効率の良し悪し、損か得かなんてどうでも良かった。
バイクの購入に協力してくれたカオリさんやメデジンバイク通りのナイスガイ達、オレはKAIDAで絶対コロンビアに帰って、「みんなのお蔭でコイツで南米一周できた、ありがとうっ!」って言いたい。
この日オレがとった行動は、恐らく理屈じゃなかった。
宿に駐車場がなかったから、KAIDAを置かせてくれていた隣の木工所。
事故ったことを話したら、修理のために工具も使わせてくれて、お別れするときには果物をくれた。
ありがとう木工所のじーちゃん。
こうやって色んな人と触れ合う度に、何か大切なものが、自分の中に譲れない何かを作っていく。
私はそれを裏切りたくないし、多分裏切れない。
これからも多分に文句を言いながら、KAIDAと南米を放浪するんだと思う。
※ 残念ながら事故ったときの写真はありません。それどころではなかったので。あしからず。
P.S. 実はこの後、マチュピチュの帰りに1回、どっかの山の中で1回転倒しています。私の体は回復していますが、KAIDAのタンクの凹みは増えています。笑
今回このタイミングで号外を書いたのは、日本にいる兄が「国際免許証の更新」を済ませて、パラグアイに送ってくれたからです。弟思いの心配性の兄なので、発送前にこんな記事を書くと「バイク売って日本に帰って来い!」と言いかねなかったので、このタイミングで書きました。
兄貴、卑怯な弟でホンマにゴメン!でもまだ帰れんのよ!日本に帰ったら、一緒に温泉にでもツーリング行こうっ!酒の肴はいっぱいあるからよ!兄貴が見れなかったこと、できなかったこと、代わりにオレが全部やったるからな!