★黒巻き髪★

~天パをバカにする奴は、自分も天パになってみればイイと思うよっ!梅雨の時期とかマジでめんどいからっ!~

南米バイク旅㊾ 森 義昌は動けない④。

 

 どーもー、オーラーッ!!やばい寒い今日めっちゃ寒い。雪が降ったら喜んで庭を駆け回るより、コタツで丸くなりたい森です。寒さにはめっぽう弱いです。ナメクジにとっての塩ぐらいの弱点です。ご存知の通りそんな私はまだパラグアイのイグアス居住区に居ます。ここでこんだけ寒いのに、ここより南に行ったらどんだけ寒いんだろうと考えて寒気がしている今日この頃。

 

 

 扨、また土日になりました。はっきり言ってやることがないです。船も止まってるし店も閉まってるし。雨は降ったり止んだり。空はだいたい曇っているし。そんな日が続くと、今までの旅を振り返ったり、これからの旅を考えたりもするものです。

 

なので今回は、わたくし森 義昌が長期旅行で暇なときにどんなことをを考えているかなどのつまらないことを徒然と書いていきたいと思います。

 

 

 

 そーですね~、では現在ホットな話題の「なぜそうまでしてアルゼンチンに入国したいのか」について書いていきます。

 

 まず、毎日牛肉を食べるためです。安い安いって聞くし。お肉好きやし。週刊少年ジャンプで連載中の漫画「ワンピース」には、この世のありったけの夢が詰まっていると思いますが「毎日ステーキ」っていうフレーズには、ありったけの男のロマンが詰まっていると思います。あーそうそう南米南部のパラグアイ地方が最近では旅行者に人気らしいですが、私はそんなに興味ありません。今行っても冬なんでくっそ寒いでしょうし。まー出来るところまで南下したいとは思っていますが。

 

 次に、ウルグアイに入国するためです。陸路で入国するにはブラジルとアルゼンチンからのアクセスとなるのですが、ブラジルからとなると遠回りなうえにビザも取らないといけなくて、それがめんどいのでアルゼンチンルートでの入国を狙っています。ウルグアイは特に観光的な見どころが無い国なんですが、とても魅力的な人物がいます。

 

 

皆さんもご存じかと思います。この方。

 

 

 

f:id:forest10per:20150531083131j:plain

ホセ・ムヒカさん ウルグアイの前大統領

 

 

この写真ではサムズアップの凛々しいおじいさんですが

 

 

 

f:id:forest10per:20150531083233j:plain

こんな素敵でチャーミングな笑顔の持ち主でもあります。

 

 

 

f:id:forest10per:20150531083311j:plain

この写真なんか「全国おじいちゃんにしたいランキング」があったら間違いなく上位3位に食い込みそうな雰囲気を醸し出しています。

 

 

 

このムヒカ前大統領は「世界で最も貧しい大統領」として有名です。お給料約140万円の90%を慈善事業に寄付しています。この人の資産は古い車1台(ビートル)のみ。専用の飛行機も持っていないので、国際会議に行くときは近くの国の大統領に一緒に乗せていってもらったりもしているそうです。お茶目さんっ。

 

そんなムヒカ前大統領は2012年の「国連持続可能な開発会議(リオ会議)」簡単にいうと「環境の未来をみんなで考えようの会」で衝撃的なスピーチをしています。少なくとも私にとってはかなり衝撃的でした。

 

今はネット上に日本語訳された彼のスピーチがたくさんあるので、ここに転載させてもらいたいと思います。

 

 

ムヒカ大統領のリオ会議スピーチ: (訳:打村明)

————————————————————————————————————————

会場にお越しの政府や代表のみなさま、ありがとうございます。

ここに招待いただいたブラジルとディルマ・ルセフ大統領に感謝いたします。私の前に、ここに立って演説した快きプレゼンテーターのみなさまにも感謝 いたします。国を代表する者同士、人類が必要であろう国同士の決議を議決しなければならない素直な志をここで表現しているのだと思います。

しかし、頭の中にある厳しい疑問を声に出させてください。午後からずっと話されていたことは持続可能な発展と世界の貧困をなくすことでした。私たちの本音は何なのでしょうか?現在の裕福な国々の発展と消費モデルを真似することでしょうか?

質問をさせてください:ドイツ人が一世帯で持つ車と同じ数の車をインド人が持てばこの惑星はどうなるのでしょうか。

息するための酸素がどれくらい残るのでしょうか。同じ質問を別の言い方ですると、西洋の富裕社会が持つ同じ傲慢な消費を世界の70億〜80億人の人ができるほどの原料がこの地球にあるのでしょうか?可能ですか?それとも別の議論をしなければならないのでしょうか?

なぜ私たちはこのような社会を作ってしまったのですか?

マーケットエコノミーの子供、資本主義の子供たち、即ち私たちが間違いなくこの無限の消費と発展を求める社会を作って来たのです。マーケット経済がマーケット社会を造り、このグローバリゼーションが世界のあちこちまで原料を探し求める社会にしたのではないでしょうか。

私たちがグローバリゼーションをコントロールしていますか?あるいはグローバリゼーションが私たちをコントロールしているのではないでしょうか?

このような残酷な競争で成り立つ消費主義社会で「みんなの世界を良くしていこう」というような共存共栄な議論はできるのでしょうか?どこまでが仲間でどこからがライバルなのですか?

このようなことを言うのはこのイベントの重要性を批判するためのものではありません。その逆です。我々の前に立つ巨大な危機問題は環境危機ではありません、政治的な危機問題なのです。

現代に至っては、人類が作ったこの大きな勢力をコントロールしきれていません。逆に、人類がこの消費社会にコントロールされているのです。私たちは 発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです。人生は短いし、すぐ目の前を過ぎてしまいます。命より も高価なものは存在しません。

ハイパー消費が世界を壊しているのにも関わらず、高価な商品やライフスタイルのために人生を放り出しているのです。消費が社会のモーターの世界では 私たちは消費をひたすら早く多くしなくてはなりません。消費が止まれば経済が麻痺し、経済が麻痺すれば不況のお化けがみんなの前に現れるのです。

このハイパー消費を続けるためには商品の寿命を縮め、できるだけ多く売らなければなりません。ということは、10万時間持つ電球を作れるのに、 1000時間しか持たない電球しか売ってはいけない社会にいるのです!そんな長く持つ電球はマーケットに良くないので作ってはいけないのです。人がもっと 働くため、もっと売るために「使い捨ての社会」を続けなければならないのです。悪循環の中にいるのにお気づきでしょうか。これはまぎれも無く政治問題です し、この問題を別の解決の道に私たち首脳は世界を導かなければなりません。

石器時代に戻れとは言っていません。マーケットをまたコントロールしなければならないと言っているのです。私の謙虚な考え方では、これは政治問題です。

昔の賢明な方々、エピクロスセネカアイマラ民族までこんなことを言っています

「貧乏なひととは、少ししかものを持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」

これはこの議論にとって文化的なキーポイントだと思います。

国の代表者としてリオ会議の決議や会合にそういう気持ちで参加しています。私のスピーチの中には耳が痛くなるような言葉がけっこうあると思いますが、みなさんには水源危機と環境危機が問題源でないことを分かってほしいのです。

根本的な問題は私たちが実行した社会モデルなのです。そして、改めて見直さなければならないのは私たちの生活スタイルだということ。

私は環境資源に恵まれている小さな国の代表です。私の国には300万人ほどの国民しかいません。でも、世界でもっとも美味しい1300万頭の牛が私 の国にはあります。ヤギも800万から1000万頭ほどいます。私の国は食べ物の輸出国です。こんな小さい国なのに領土の90%が資源豊富なのです。

私の同志である労働者たちは、8時間労働を成立させるために戦いました。そして今では、6時間労働を獲得した人もいます。しかしながら、6時間労働 になった人たちは別の仕事もしており、結局は以前よりも長時間働いています。なぜか?バイク、車、などのリポ払いやローンを支払わないといけないのです。 毎月2倍働き、ローンを払って行ったら、いつの間にか私のような老人になっているのです。私と同じく、幸福な人生が目の前を一瞬で過ぎてしまいます。

そして自分にこんな質問を投げかけます:これが人類の運命なのか?私の言っていることはとてもシンプルなものですよ:発展は幸福を阻害するもので あってはいけないのです。発展は人類に幸福をもたらすものでなくてはなりません。愛情や人間関係、子どもを育てること、友達を持つこと、そして必要最低限 のものを持つこと。これらをもたらすべきなのです。

幸福が私たちのもっとも大切なものだからです。環境のために戦うのであれば、人類の幸福こそが環境の一番大切な要素であるということを覚えておかなくてはなりません。

ありがとうございました。

 

 

ちなみにこのリオ会議では、自分のスピーチをした各国首脳は次々と退席していき、小国ウルグアイのスピーチの順番が来たころには、会場には僅かな聴衆しかいなかったそうです。このスピーチを初っ端に持ってきて欲しかった・・・。

 

 

 

 私自身、今までの旅の中で東西南北の先進国から途上国までを見てきて、ぼんやりとですが確実に感じていることがあります。それは現在のこの世界が「どこかおかしい」ということです。みんな必死で生きていて、それを否定しているわけじゃないです。なんて言いますかね、どこの国にいっても「貧富の差」があります。物乞いの横を高級車がシャーって走ってたりします。この事実、私は「あって当然のこと」だと思っていました。でも今は違います「あって当然」だと刷り込まれてきたんだなと思うようになりました。そりゃ~ね、頑張っている人とそうでない人の「努力で何とかなる」ぐらいの貧富の差は仕方がない部分もあると思います。でもね、たとえば身分制度であったり、社会的なシステムで貧しい家庭で生まれた人間は豊かにはなれないという事柄には異を唱えたいです。それは間違っている。

 

 すこし観点が変わりますが、例えば現時点で衣食住が満たされていない人たち。その人たちを支援している人たちもいますが、それでも支援は十分な状況とはいえないと思います。そんなことが起こっているこの世界の富(資産)の50%以上は、わずか1%の超富裕層が持っています。そして残りの世界の富の50%の内45%を、人口の20%の富裕層がもっています。つまり、世界中の富の95%は人口の21%の富裕層が持っていることになります。また、世界の富裕層上位80人の資産総額は、貧困層35億人の資産総額に匹敵するらしいです。(国際支援団体オックスファムの推計)

 

いやいや、意味分からんでしょ。何してるんですか豊かな人?本気でこの現実を「あって当然」だと思いますか?

漫画やアニメの空想の世界の話ではなくて、現実のこの世界のお話なんです。

 

人間に最低限必要なものって衣食住だと思うんですよ。「衣食足りて礼節を知る」とあるように、モラルやマナーはこれらが足りてからのお話だと思います。その最低限のものが十分じゃない人たちが、世界で35億人ぐらいいるそうです。住む所がない、食べるものがない、着るものがない。どう考えてもおかしいでしょ。

 

と、そんなことを考えていた時に出会ったのがムヒカさんのスピーチだったんです。(多分スペインあたりやったと思う)なので「そんな人物が大統領に選ばれるウルグアイという国はどんな国なんだろう」と興味を持ち、スペインにいた時に「絶対行こう!」と決めていました。なので私はどうしてもウルグアイに行きたいんです。

 

  そうそう、結局お金なんよね、悪いのは。資本主義ね。かといって社会主義がいいとも思わない。この世界がこのまま行けば、完全に豊かか貧しいかの二極化になるのは目に見えてると思うんですよ。何か、資本主義でも社会主義でもない新しい次のステップが必要なんじゃないかなと、バイクに乗りながらそんなことをフラフラと考えているわけですよ、30歳の無職がっ!!

 

 

 いやいや、洒落になんないですよ。私たち大人の年代は生きていけたとしても、次世代の子供たちが辛い思いをすることになります。私はまだ独身なので、子供を持つ親の気持ちは分かりません。でも、次の世代に残すのがこんな世界で申し訳ないなぁと思います。結局は大人の責任ですし。変えて行かないといけんのよな~。

 

 

 

 いやはや、やっぱりとりとめもなく書くとロクな記事にならないですね。ただの愚痴みたいになった。また時間ができたら感じたことや考えたことを書かせてくださいね。

 

 

興味を持たれた方、ムヒカさんの記事を調べてみてください。面白い経歴の持ち主ですよ。世界で最も強い大統領はダントツでプーチンだと思いますが、世界で最も信頼できる大統領はムヒカさんだと思います。

 

 

 

 

ちゃおちゃお~♪