南米バイク旅㊻ 森 義昌は動けない①。
はいどーもー、オーラ～ッ！小麦粉をむやみやたらに使って全ての汁物をあんかけ風にしている森です。最近のヒット作は、あんかけ風焼きラーメンですっ！！
さて、一週間も滞在したアスンシオンを後にし、向かったのはパラグアイの日本人移住者の居住区である「イグアス居住区」です。移動中は寒い以外は特に何もなかったのでスルーします。
イグアスと聞いて思い当たるのが「イグアスの滝」だと思います。そうそうあれね、ブラジルとアルゼンチンにまたがってるでかい滝ね。このイグアス居住区からイグアスの滝まではそんなに遠くないです。バスで行くのが一般的らしいですが、私はアルゼンチンに入ってからKAIDAと行こうと思っています。
実は今もリアルタイムでイグアス居住区にいます。もう２週間ぐらいですかね。色々ありましてまだアルゼンチンには入国できていません。いや、１時間ぐらいはアルゼンチンにいてたんですけどね。
では、イグアス居住区での生活を書く前に、パラグアイ→アルゼンチンでの国境での出来事をレポートしたいと思います。
５月２２日 イグアス居住区を出発して、国境の街「シウダード・デル・エステ（略してエステ）」に向かう。ちなみにエステはブラジル・アルゼンチンと面している街です。
えーとですね、日本人が南米で唯一ビザが必要な国がブラジルです。私はまだブラジルビザを取得できていないんで、パラグアイからアルゼンチンに行く船のルートを選択しました。
向かって右がアルゼンチンで左がブラジルです。
パラグアイ→アルゼンチン
バイク込みで２００００グアラニー
国境スタッフのおっちゃんたちがBBQしてた。
さらばパラグアイっ！！
また戻ってくるけんねっ！
さ～、いよいよアルゼンチン。物価とかどんなんやろな～？
ペルーでガス欠の時に助けてくれたのはアルゼンチン人。あんな優しい人たちに会いたいなぁ～。
はいど～んっ！アルゼンチン入～国～っ！！
イミグレですんなり入国スタンプをもらい、慣れた雰囲気を醸し出しつつ税関にいきKAIDAの書類を作成しようとしたそのとき
森「おーらー。バイクの書類を作ってほしいんですけど～。はい、これがライセンスで、登録書と車検証と車両保険とパスポートがコレね～。」
税関「おーらー。ちょっとこの荷物見せて。」
森「おっけおっけ、全部？サイドバックも？」
税関「全部な～。ここ何？ここ何入ってんの？」
森「こっちが工具で、こっちがキャンプ道具ね。ホラ。」
税関「ふ～ん、なんか君マリファナ臭いね。」
森「は！？（お前、鼻大丈夫か？）」
税関「いや、君マリファナ吸ってる？ポケットの中身全部出してくれる？」
森「う～っす。これがタバコで～。」（ボリビアで買った激安タバコ。）
税関「コレなに？マリファナやろ？」
森「いやいやいやいやいやいやいやっ！違う違う、コレはボリビアで買った１０本２０円の激安タバコ！」
税関「（携帯灰皿を開けて中のにおいを嗅いでとてもクサそうな顔をして）マリファナのにおいがするぞ？」
森「いやいやだから、違うよ。ボリビアで買った普通のタバコ。ポトシって街の炭鉱夫はこれ吸って働いてんの。給料安いから安いのしか吸えないの。（お前の嗅覚どないなっとんねん。マリファナって言ってたら怯むと思うなよメガネ。ってゆーても俺もメガネやけどな。）」※（）内は心の声です
～荷物と全身をくまなく調べられ、その後近くのオフィスに連れていかれる～
税関「君は日本人だよね？なんでコロンビアでバイクが買えるの？」
森「ちゃんと正式な手続きで購入しました。登録証にも私の名前が書いてあるでしょ？」
税関「これはコロンビアの登録証だね、コロンビアのIDはもってる？」
森「いや、持ってないですね、日本人なんで。パスポートにJAPANて書いてますよね？（ちょっとー、大丈夫？そのメガネ見えてんの？）」
税関「あなたのバイクは入国できません。」
森「んんんっ！？」
森「いや何で？書類はすべて私の名義ですけど？」
税関「No（無理です。）」
森「私は南米をバイクで旅行したいうんぬん～（これまでの経緯を話す）」
税関「No（PC画面を見ながら）」
森「いや、あの、何がダメなんですか？（おまえとりあえずこっち見て返事せーや）」※（）内は心の声です。
税関「No（PC画面を見ながら）」
森「いや、何がダメなのか教えてもらえないと分からないんですけど？（おいおいおいおい、メガネのレンズにPC画面映ってるよ～、なんかの検索画面映ってるよ～。なんですか？何が悪いんですか？見た目？見た目が怪しいからですか？たしかにそこは怪しいかもしれんけどとりあえずこっち見て話せーや。天パか？この天パがわ・る・い・ん・かっ！？お前らアルゼンチン人もけっこうな確率で天パやろがっ！おい、その眼鏡スパイダーマンの模様みたいにしたろか？つーかマリファナ疑うんなら麻薬犬でもなんでも連れてきてハッキリさせろや。おい、こらタックスメガネ。マリファナの件はも～いいんですかぁ～。スルーですか～。お前、この後に人差し指と親指をこするような仕草したら絶対そのめがねスパイダーマンの模様みたいにしたるからなっ！）」
税関「No（半笑いでPC画面を見ながら）」
森「コロンビアのIDが必要なんですか？私は日本人なんでそれは無理なんですが。（だからこっち向けよメガネックス！せめて見ろよ！見えてますかー？僕が見えてますかぁぁぁー！？僕の芸術的で美しいカールが見えてますかぁぁぁぁ～！？？」
税関「No（携帯をいじりながら）」
森「あの、何が必要か教えてもらえないと用意できないんですが？（出たよ、出た出た、現代人の８０％ぐらいをダメにしてるスマホ。ゲームか？勤務中にゲームやってんか？シムシティやってんか？そんなんやからアカンねん、仕事しましょうよ、そんなんでストとかやってるからアルゼンチンペソが安くなんねん。で、闇両替とかがお得になってまうねん。しらないよ？このままいくとベネズエラみたいに通貨崩壊しちゃうよ？おいおい、それでも大丈夫ってか？人口より牛の数が多いから食べるものには困らないってか？ナ・メ・ん・な・よ～、牛さんナメんなよーっ！うし年の俺ナメんなよーっ！おい牛っ！お前らもちょっと立ち上がれよっ！革命じゃ、ウ・シ・革命じゃぁぁー！はいはいわかったわかった、あなたは私を入国させる気はないんですね。はいわかりました～。シムシティでなかなか資金が溜まらず、そんでストレスばっかり溜まって残り少ないその髪の毛も全部抜けてもーたらえーねん）」※（）内は心の声です。
税関「No！パラグアイに帰れ。（携帯いじりながら）」
森、入国できず。（顔しか映ってないのが笑うポイントですねっ！）
正確には、森は入国できたけどKAIDAが入国できませんでした。
周りの人たちに聞いても何が悪かったのかが分からず。とにかくどうすることも出来なかったので、また船に乗ってパラグアイに戻りました。
ただいまパラグアイッ！！
帰りの船で日系人の方が話を聞いてくれました。
その人曰く、
アルゼンチンに車両で入国するのは書類面がかなり厳しい（特に外国人に対して）。他の国境でもし偶然入国できても、検問で必要な書類がなかったら警察に車両を没収される。私の友人は１５人でアルゼンチンにツーリングに行って、その内７人がバイクを没収された。私もコロンビアで買ったバイクはどうすればいいか分からないから、アルゼンチン領事館に行ってどうすればいいかを聞くといい。
です。
入国できなかった（初めての体験）という悔しさと、今までが手持ちの書類で大丈夫だったから今回もいけるやろっ！という自分の考えの甘さに対する怒りがこみ上げる。自分が情けなくなる。今までの旅がスムーズに行き過ぎてたのかなぁ・・・。と、柄にもなく後ろを振り返ってみたりする。
往復１００ｋｍ＋船。無駄な出費と徒労感。対策を考えながら来た道を引き返す。
①パラグアイ国内を移動して、田舎の国境でアルゼンチンに入国する。
→検問でKAIDAを没収される可能性が高い。
②日を改めて、あのタックスメガネ以外の人がいるときを狙う。
→可能かもしれないが、運の要素が強いうえに検問でKAIDAが没収される可能性大。
③とにかくあのメガネックスの態度が腹立つので、領事館で本当は何が必要なのかを確かめて、必要書類があれば全て揃えて、同じ国境を堂々とドヤ顔で越える。
→コレッ！！入国時も入国後も堂々としていたいからコレッ！
ということで③に決定です。
アルゼンチン滞在、１時間っ！！
＜失ったもの＞
時間・お金・自分はどんな国境でも越えられるという全く根拠のない自信・パスポートの無駄なページ・結構なカロリー・見た目の爽やかさ
＜得たもの＞
絶対同じ国境で入国するという断固たる決意
＜アルゼンチンに忘れたもの＞
飲みかけのコーラ（１L）
絶対入国したるからなぁ！
待っとけやタックスメガネッ！！
