南米バイク旅 74 晴耕雨読の生活
はいどーもー、オーイー!アマゾナス州の州都「マナウス」で暑さと戦っている森です。毎日炭酸飲んでます。だって暑いんだもの、、、。あ、この旅に出て通算4回目の日焼けが、皮めくれ始めました。
では弓場農場での生活を書いていきたいと思いマックスファクター!
★弓場農場での1日の流れ
6:00 角笛の音で起床 朝食と身支度
7:00~10:30 午前中の作業
・大体が何らかの作物の収穫。収穫がなかったら男性はカルピに。
11:00 角笛の音で昼食
12:00~16:00 午後の作業
・男性は何らかの畑のカルピ。女性はパック詰め等。
16:00~18:00 自由時間
・基本的に自由時間だが、月曜と水曜は男性のみトラックへの積み込みがある。
18:00 角笛の音で夕食
18:00~寝るまで 自由時間
と、大体こんな感じです。お休みは日曜日のみです。日曜日は基本的に自由なので、私は
農場内の池で釣りを楽しんだり(この池にはアナコンダがいて、農場の犬が既に3頭食べられている。)
馬に乗らせて貰ったり。
読書に勤しんだりしてました。
★食事について
朝・昼・晩と三食ともに角笛の合図で集まります。基本的に早い者勝ちの食べ放題。
ほとんどの食材が農場で採れたものです。
たまごかけご飯の美味しさに感動した。
あと、私が良いなと感じた習慣が、食前の黙祷です。
毎食、いただく前に黙とうの時間があります。
この農場にくるまでの質素な食生活からか、はたまた日中の暑い中に汗をかいて働いていたからか、私が黙祷中に考えていたことは「自然の恵みに感謝・尊い労働に感謝・食べられることに感謝・健康に生きられることに感謝」といったことです。
1日を見直したり、自分が生かされている環境について考える時間って、忙しい日々の中に身を置くとなかなかないですもんね。
大切なことだと思います。
年に1回恒例のすきやき祭り。
お肉・野菜・米・うどん・豆腐、なんでも食べ放題です。
毎食毎食ごはん3杯とおかず山盛りを食べ続けた私は、森史上最も重い体重になりました。
日本出発時 60kg
弓場農場 70kg
怒涛の10kg増!!!笑
いや~、なんか自分では「軽量機動力型」だと思っていたんですが、いつの間にやら「重量高出力型」になってました。笑
ええねん、南米ではちょい肉ついてた方がモテるっていうし・・・。
★特別な仕事
農場の人に「夜間に畑に水をやりに行くからバイク貸して。」と言われたのでKAIDAを貸すと、「バイクで行くとすごい楽だね!」とバイクを気に入った様で
バイクの修理の仕事がまわってきました。
なんか50年ぐらい前にHONDAが輸出用に作ったバイクらしい。
・エンジンはかかるけど4ストのくせにすごい白煙を噴く。絶対オイル食ってるわ。
・アイドリングが安定しない。
・全体的に動きが固い。(押すだけで重い)
・ブレーキが効かない。
・電気系統はプラグ以外全滅。
という状態
依頼の内容が「とりあえず普通に走れるようにして。あ、あとヘッドライトだけ点くようにして。」だったので
とりあえず後輪のブレーキを外してみたら、ブレーキシューが中で割れて詰まってたので、その辺り一式を新品に交換。
ブレーキペダル周辺もガタガタだったので、切って削って穴をあけて調整。
シャフトなどの摩擦する部分を洗浄してグリスアップ。
これで動きの固さはなくなった。
ヘッドライト以外の電装パーツ・スピードメーターを外しで、不必要な配線を除去。
バッテリーも死んでたので取っ払う。
ヘッドライトの電源をジェネレーターから直(ちょっと心配だったけどイケるっぽい)でとって完了。
メインキー・エンジン・ヘッドライトを動かすだけなら、電線5本で事足りることの事実に驚いた。笑
あとはエアクリーナー洗浄して、これで走れるまでにはなったけど、キャブ清掃は店にお願いしたほうがいいと言っておいた。
色んな部品(マニホールドとか)が経年劣化しているから、自分がやったらパーツ外す時に他の部品を壊しそうだったし。
あとは組み立てて、配線まとめて、キーシリンダー固定して完成。
うん、楽しかった。
オレが農場で労働力以外で役に立てることって、これぐらいしかないしね。
★子供と戯れる
弓場農場のアイドル「ユキちゃん」
ちょっとブレてるけど、その姿から分かるように可愛さ&おてんば度120%です。
裸足で走り回ってて、口の周りに何かしらの食べ物を付けているのが基本スタイルのユキちゃん。
一緒に遊んでくれてありがとう。楽しかったです。
と、こんな感じで弓場農場で過ごした約1か月。
感じたことは沢山ありますが、その一部を書かせて貰いたいと思います。
まず、弓場農場に来た理由。
世界一周をさせてもらってる中で、色んな国の色んな状況を見てきた。
どの国にもあった共通項「貧富の差」。多分、以前の記事で「貧富の差があって当たり前だと思っていること自体がおかしい。」と書いたと思う。で、現在世界を支配している「資本主義や自由主義経済」ってのを疑い始めていた。(いや、別に頭がおかしくなったとかそんなんじゃないですよ。)そろそろ資本主義も飽和状態なんじゃない?そろそろ次のステップに進まないといけないんじゃない?という疑問が、自分の中に生まれてきていた。
で、色々と調べていて見つけたのがこの弓場農場。弓場農場はバリバリの社会主義で運営されている。原始共産主義の方が近いかも。資本主義が世界中を席捲している今、今更社会主義を体験しても仕方がないとは思うけれど、日系人による社会主義的なコミュニティは経験してみたかった。自分がその中に組み入れられることで何を感じるのかが知りたかった。ってのが理由ね。
で、感じたことは。弓場農場にいて農場の為に働いていれば食べるものと寝る所には困らない。大体のものは何でも揃っている。この環境に甘んじて生きていけば、まず生活に困ることはない。でも弓場農場で生まれた人の中には、街に出て行った人もいる。ここでの生活をどう思うかは人それぞれ、肌に合わない人もいるだろうし、夢を持って外に出ていく人がいてもおかしくない。
個人個人それぞれ思うことはあるだろうが、このシステムで弓場農場という社会主義的なコミュニティが、今年で創設80周年を迎えたという実績がある。この実績を作ったのはおそらくこの共同体の「耕し、祈り、芸術する」という志を貫いたからだと思う。「弓場農場は少し特殊」それは他の日系コミュニティにいた人と話をして感じた。その特殊性は、やはりそれは上記の志があるかないかだと思う。
弓場で過ごした1か月、よく汗をかき、よく食べて、よく話し、よく読んだ。本当に充実した日々だった。
この弓場農場で感じたことは、「〇〇主義がどうのこうの」とかそんな難しい話じゃない。人間、根本的に大切なのは志なんだなぁということ。そしてその志を受け継いでいくことなんだということ。
以上!弓場農場での生活を、自分自身まだ噛み砕いて吟味できていないので、私が言えることはこれぐらいですっ!
みなさん、志、持ってますか?